【インドの人口問題】チャッティースガル農村部の女性とヒマンチャルプラデッシュ山間部の女性で考える

2014年、チャッティースガル(Chhattisgarh)州で 集団不妊治療を行った女性60数名が術後の体調不良を訴え、 15名が亡くなった痛ましい事件がありました。 当時の医師1名が数時間で83名もの女性の避妊手術を行い、 医療器具や薬品の汚染が原因とされています。


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田舎や農村部の病院ではやはり設備も乏しく、衛生状態も悪いです。 器具を使いまわしたり、適切な殺菌処置を怠ったりして 死者が出ることも少なくないと言われています。

そんな中、こういった手術を行うことになってしまった原因として インドの増加し続ける人口問題が挙げられます。

インド政府の人口抑止政策の一環として、 避妊手術を受けた女性たちには1400ルピー(約2500円)が支払われます。

農村の平均月収5000ルピー前後からすると、 そこそこの金額ですから、 女性たちは簡単にお金が手に入ると避妊手術を受けるようですが、 かなりリスキーなことです。

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欧米諸国での避妊はピルなどが主流ですが、 インドの田舎の女性たちにはそういった知識も情報も得ることが出来ず、 まず今、明日を生きるための資金を得ることが優先されるのです。

さらにインドの一部の州では 不妊手術を拒否する人には行政サービスが提供されなかったり、 2人以上の子どもがいる人は公職に立候補できないケースもあると言われています。

こういったことが暗黙の罰則として未だ浸透している背景としては 1970年代初頭、インディラ・ガンディー首相が行った政策によるものと考えられます。 2人以上の子どもがいるインド人男性を対象に、 集団不妊手術プログラムを導入し、 当局の担当者にはノルマが割り当てられたため、 避妊手術を受けないと住宅などの公的補助が受けられなくなったり、 ノルマをこなす為に貧しい人々に強制的に避妊手術を受けさせることもあったようです。

こういった政策、こういった避妊の方法は 女性に対して相当なダメージを背をわせていると感じます。 女性として、人としての尊厳を奪っているようにしか見えません。

しかしこういったことがまだまだインドの現実です。 先進国の日本の目線で 彼らをただ、「酷い」や「可哀想」とだけでは見てはいけない、とも感じます。

確かに医療ミスは酷いです。

できればリスクのある医療設備の乏しい病院で不妊治療を受けてほしくはないのですが、 苦しい環境で日々を生きている、明日生きるために、

リスクはあってもそうせざるを得ない人々もいるのです。


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またそんなチャッティースガルの女性とは正反対だけれども 人口抑制のために奮闘する女性たちもいます。

それはインドの北部、 ヒマンチャルプラデッシュ(Himachal Pradesh)州山間部の女性たちです。

一夫多妻制はアフリカなどでよく聞きますが、 ヒマンチャルプラデッシュの山間部では 一妻多夫制が通常の結婚スタイルなのだそうです。

こちらも人口抑制ではありますが、 国としてというよりも土地柄上という面も強いように感じます。 山間部ですので、もし兄弟で親の土地を分ける場合、 そんなに土地もありません。

しかもやはり家督を継がせる習慣のため、 女の子の赤ちゃんを授かると間引いてしまうことが多いようで、 そもそもの女性と男性の比率が合わず、 複数の男性(ほとんどが兄弟)が一人の女性と結婚する形になるそうです。

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これはかなり古くからの習慣だそうで、 やはり女性はさすがに初めは戸惑うそうですが(毎晩交代で夜の生活があるようで) すぐに慣れてくるといいます。

一夫一妻制の場合、一家庭に子どもを2人授かるとするとして、 5人の男性がいるとすると10人の子どもが授かりますが、 この土地では5人の男性と1人の女性が家族になるので 一家族のみで子どもの数も2人となり、確かに人口抑制にはなっております。

「この子どもは一体誰の子?」 「そんな環境でどうやって子育てや生活するの?」 「奥さんはさぞかし大変だろう…」

様々な疑問が浮かぶかと思いますが、 この土地ではこれがいたって当たり前なのです。 生まれたときからこういった生活を送っているので、 しかも男性の方はほとんどが兄弟ですので、元々生活を共にしていた家族です。 結婚後の生活もさほど変わらず家族ですので、 子どもができたら全員父親として子どもを大切に育てるそうです。

逆にこの土地の子ども達から我々は 「なんでお父さんが1人しかいなの?」 と言われることと同じです。


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こういった習慣や文化の違いを問題にしたいわけではありません。

逆に世界的には貴重な文化でもありますので、 抑制して滅びるのはもったいないとも感じてしまいますが…。

このように2つの地域の人口抑制対策をみてきましたが、 どちらが良くてどちらかが悪いというわけではありません。

でもどちらにも共通して言えることがあります。

それは尊い命に差別があることです。

子どもを授かるということは女でも男でも尊いことです。 どちらが欠けても未来につなぐ新たな生命は誕生しません。 運命を受け入れて、男女の非均衡をなくすことも、 インドの状況を国民全員が理解できるよう教育に力を入れるなど 直接的でない人口抑制の方法もいくらでもあるかもしれません。

しかしこんな簡単にいくとは到底思ってはいません。 何が正しくて何が間違っているのか100%判断できる人なんていないと思います。 国としては国民を守るためにやはり政策を打ち出さなければなりません。

こんな話を遠い異国の日本人がどう受け止めるのか…。

現状を知ることから始めて欲しいと思うのです。 世界には他にももっとたくさんの問題があり、 その中でもみんな一生懸命生きているのです。

それを知った私たちは、その時何を想い、その場で何を行動するかです。

彼らを助けてほしいと言っている訳ではないのです。 今、自分に出来ることを、一生懸命やってほしいのです。

話があらぬ方向へ反れそうですが、 チャッティースガルの女性もヒマンチャルプラデッシュ州の女性も みんな逞しく、今を、生きていると感じました。

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